2009/8/20: この記事の内容を修正して「ゲームデザインの理論」のドキュメントに「ゲームプレイ時におけるプレイヤーの好みの変化」として追加しました。今後は、こちらのドキュメントを更新していきます。
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この記事では、以下を主張する。
あるゲームに対するある ゲームプレイヤーの好みは、そのゲームのプレイを通じて、変化する
このことは、以下を意味する。
ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
ゲームデザインのプロセス(活動)とは、ここでは、次のような側面に対する様々な決定(デシジョン)を行うことだする。
(1)ゲームのルールの側面: キャラクターのレベルは上がる。レベル制限は99。戦闘はターン制であり、敵と見方が交互に行動を行う、など。
(1.1)ゲームバランスの側面: ある敵のHPは500といった、パラメータの設定など。
(2)ゲームシステムの側面: セーブ数は、10件など。
(2.1)ユーザインタフェースの側面: LボタンとRボタンでキャラクターの切り替えができるなど。
(2.2) システムの品質に関わる非機能要素の側面: たとえば、ロード時間に対する要求。3秒以内に戦闘画面を表示し、ユーザの入力を受け付けなければならない、など。
(3)ゲームの遊び方に関する側面: ゲーム中のBGMを自由に変更できるなど。
ゲームデザインとは、このプロセスの結果として決めたこと(デシジョン)の集合であるとする。
詳細は「ゲームデザインの理論」のドキュメントを参照。
PS2のRPGである『ペルソナ4』のレビューでは、以下の不満点があった。
中間くらいで戦闘ナビがいらないと思うようになった。分かってることを何度も言ってくるので、音楽を聴いていたほうがいい気がした。
この不満点は、全139件のレビューの内1件だけであったので、この不満に対処する優先順位は低いかもしれない。しかし、この不満の表現からは以下が分かる。
あるゲームに対する あるゲームプレイヤーの好みは、ゲームプレイを通じて、変化する
ゲームデザインの観点から、もっと一般的に言えば以下のように言える。
あるゲームプレイヤーに適したゲームデザインは、ゲームプレイヤーのプレイ経験を通じて変化する
下記の図は、プレイヤーのプレイ経験が変化することで、ゲームに対する満足度が「満足」の状態から「不満」に変化することを示している(ここでは簡単のためゲーム=ゲームデザインとしている)。
ここで重要なのは、
初めからゲームデザインが誤っていた
というわけでないということである。戦闘ナビの例でいえば、この機能は、このプレイヤーにとっては初めから不要に思われていたわけでなかったといえる。
下記の図は、このプレイヤーの視点から理想的な状況を表している。このプレイヤーにとっては、ナビが不要だとなったら、そうなることが望ましい。
ゲームデザイナーは、プレイヤーのこのような要求に対応する必要がある。しかしながら、このようなプレイヤーの経験の変化に対応するには、ゲームデザイン側であらかじめ対応できるようになっている必要がある。この例でいえば、「戦闘ナビはオン・オフできる」というデシジョンを行ったデザインである必要がある。
以上のことから、ゲームデザインのプロセスに対する以下の要件を設定できる。
(要件)ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
一つのアプローチは、例でも示したように、プレイヤー自身が自分の現状の好みに合わせてゲームを調整できる機能を導入することである。
この記事では、事例に基づき、以下を主張した。
あるゲームに対するある ゲームプレイヤーの好みは、そのゲームのプレイを通じて、変化する
この主張が適切であれば、ゲームデザインのプロセスは、以下の特徴を備えていなければならない。
ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
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この記事では、以下を主張する。
あるゲームに対するある ゲームプレイヤーの好みは、そのゲームのプレイを通じて、変化する
このことは、以下を意味する。
ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
ゲームデザインとは何か?
ゲームデザインのプロセス(活動)とは、ここでは、次のような側面に対する様々な決定(デシジョン)を行うことだする。
(1)ゲームのルールの側面: キャラクターのレベルは上がる。レベル制限は99。戦闘はターン制であり、敵と見方が交互に行動を行う、など。
(1.1)ゲームバランスの側面: ある敵のHPは500といった、パラメータの設定など。
(2)ゲームシステムの側面: セーブ数は、10件など。
(2.1)ユーザインタフェースの側面: LボタンとRボタンでキャラクターの切り替えができるなど。
(2.2) システムの品質に関わる非機能要素の側面: たとえば、ロード時間に対する要求。3秒以内に戦闘画面を表示し、ユーザの入力を受け付けなければならない、など。
(3)ゲームの遊び方に関する側面: ゲーム中のBGMを自由に変更できるなど。
ゲームデザインとは、このプロセスの結果として決めたこと(デシジョン)の集合であるとする。
詳細は「ゲームデザインの理論」のドキュメントを参照。
ゲームプレイ時におけるゲームプレイヤーの好みの変化
PS2のRPGである『ペルソナ4』のレビューでは、以下の不満点があった。
中間くらいで戦闘ナビがいらないと思うようになった。分かってることを何度も言ってくるので、音楽を聴いていたほうがいい気がした。
この不満点は、全139件のレビューの内1件だけであったので、この不満に対処する優先順位は低いかもしれない。しかし、この不満の表現からは以下が分かる。
あるゲームに対する あるゲームプレイヤーの好みは、ゲームプレイを通じて、変化する
ゲームデザインの観点から、もっと一般的に言えば以下のように言える。
あるゲームプレイヤーに適したゲームデザインは、ゲームプレイヤーのプレイ経験を通じて変化する
下記の図は、プレイヤーのプレイ経験が変化することで、ゲームに対する満足度が「満足」の状態から「不満」に変化することを示している(ここでは簡単のためゲーム=ゲームデザインとしている)。
ここで重要なのは、
初めからゲームデザインが誤っていた
というわけでないということである。戦闘ナビの例でいえば、この機能は、このプレイヤーにとっては初めから不要に思われていたわけでなかったといえる。
下記の図は、このプレイヤーの視点から理想的な状況を表している。このプレイヤーにとっては、ナビが不要だとなったら、そうなることが望ましい。
ゲームデザイナーは、プレイヤーのこのような要求に対応する必要がある。しかしながら、このようなプレイヤーの経験の変化に対応するには、ゲームデザイン側であらかじめ対応できるようになっている必要がある。この例でいえば、「戦闘ナビはオン・オフできる」というデシジョンを行ったデザインである必要がある。
以上のことから、ゲームデザインのプロセスに対する以下の要件を設定できる。
(要件)ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
一つのアプローチは、例でも示したように、プレイヤー自身が自分の現状の好みに合わせてゲームを調整できる機能を導入することである。
まとめ
この記事では、事例に基づき、以下を主張した。
あるゲームに対するある ゲームプレイヤーの好みは、そのゲームのプレイを通じて、変化する
この主張が適切であれば、ゲームデザインのプロセスは、以下の特徴を備えていなければならない。
ゲームデザインのプロセスは、プレイヤー個人の好みの変化に対応できるデザインを生み出すプロセスである必要がある
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