ゲームデザインについてのすごく基本的(当たり前)な前提を構築しながら、ゲームデザインの理論化を目指していきたい。
今回は、ゲームデザインの一つの側面は、ゲームをプレイするユーザ間の好みの衝突を解消するプロセスである、ということを考えたい。
その前に、まず、ゲームデザインとは何か、ということについての定義をしておきたい。
ゲームデザインのプロセス(活動)とは、ここでは、次のような側面に対する様々な決定を行うことだとする。
(1)ゲームのルールの側面: キャラクターのレベルは上がる。レベル制限は99。戦闘はターン制であり、敵と見方が交互に行動を行う、など。
(1.1)ゲームバランスの側面: 敵のパラメータ設定など。
(2)ゲームシステムの側面: セーブ数は、10件など。
(2.1)ユーザインタフェースの側面: LボタンとRボタンでキャラクターの切り替えができるなど。
(2.2) システムの品質に関わる非機能要素の側面: たとえば、ロード時間に対する要求。3秒以内に戦闘画面を表示し、ユーザの入力を受け付けなければならない、など。
(3)ゲームの遊び方に関する側面: ゲーム中のBGMを自由に変更できるなど。
ゲームデザインとは、このプロセスの結果として決めたことの集合であるとする。
まず、次の前提があるとしたい。
(前提1) できる限り面白いゲームを作ることがゲームデザインの目的である。
もちろん、現実的には、面白いという評価基準のみでゲームをデザインすることはできない。コストや時間の制約があるため、これらの制約を無視して面白さのみを追求することはできない。けれど、ここではこの制約は無視する。
(前提2) あるゲームの面白さの度合いを評価するのは、そのゲームをプレイした時の特定のユーザである。
続いて、次のような仮定をする。
(仮定1) 特定の誰かのみのために ゲームを作るとする
この場合、ゲームの面白さは、この特定の誰かが評価する。評価結果は、次の二つとなる。
(評価結果1) 面白い、もしくは、面白くないところはない
(評価結果2) 面白しろくない
1の場合、ゲームデザインのプロセスは終了となる。
2の場合、次のことが行える。
(評価対応a) 悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応b) 面白くなることを期待して修正する
修正後は、評価のプロセスに戻る。
続いて、仮定を少し変更してみる。
(仮定2) 特定の二人(AさんとBさん)のために ゲームを作るとする
この場合、仮定1のようなプロセスは行えなくなる。まず、評価のプロセスでは、4つの評価結果が考えられる。
(評価結果1) AさんBさんとも、面白い、もしくは、面白くないところはない。
(評価結果2) Aさんは、面白い、もしくは、面白くないところはない。Bさんは、面白しろくない。
(評価結果3) Bさんは、面白い、もしくは、面白くないところはない。Aさんは、面白しろくない。
(評価結果4) Aさんも、Bさんも面白しろくない。
1の場合、ゲームデザインのプロセスは終了となる。
2の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応2-a) Bさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応2-b) Bさんに面白くなることを期待して修正する
3の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応3-a) Aさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応3-b) Aさんに面白くなることを期待して修正する
4の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応4-a) AさんやBさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応4-b) AさんやBさんに面白くなることを期待して修正する
仮定1の場合と違い、たとえば、対応2(Bさんが面白くなるように修正)の場合の修正後の評価は、次のようになる。
(修正後評価結果1) Aさんは面白いままであり、Bさんは面白しろくなった
Aさん:面白い->面白い(もしくは面白い部分が増えた)
Bさん:面白くない->面白い(もしくは、面白くなかった部分が減った)
(修正後評価結果2) Bさんは面白くないまま
Aさん:面白い->面白い(もしくは面白い部分が増えた)
Bさん:面白くない->面白くない(もしくは、面白くなかった部分が増えた)
(修正後評価結果3) Bさんは面白くなったが、Aさんは面白くなくなった
Aさん:面白い->面白くない(もしくは面白かった部分が減った)
Bさん:面白くない->面白い(もしくは、面白くなかった部分が減った)
(修正後評価結果4) Bさんは面白くないままであり、かつ、Aさんは面白くなくなった
Aさん:面白い->面白くない(もしくは面白かった部分が減った)
Bさん:面白くない->面白くない(もしくは、面白くなかった部分が増えた)
この3番目の項目から分かるように、AさんとBさんの面白さの好みが異なる場合、好みの衝突を解消し、AさんとBさんを同時に満足させるようなゲームデザインの提案は簡単でなくなる。
現実的には、ゲームのプレイする対象が二人というように少ないことはありえないため、衝突の解消はさらに困難となる。
しかし、ある種のこのような好みの衝突はゲームデザイン上の決定として解消できる場合がある。既存のゲームでの代表的な解消方法としては、ユーザ自身が自分の好みを選択できるような機能の導入がある。たとえば、難易度が選択できる機能、特定の機能(たとえば音声)のオン・オフを選択できる機能などがある。
以上のことから、ゲームデザインの一つの側面は、ゲームをプレイするユーザ間の好みの衝突を解消するプロセスである、といえる。
今回は、ゲームデザインの一つの側面は、ゲームをプレイするユーザ間の好みの衝突を解消するプロセスである、ということを考えたい。
その前に、まず、ゲームデザインとは何か、ということについての定義をしておきたい。
ゲームデザインのプロセスとは
ゲームデザインのプロセス(活動)とは、ここでは、次のような側面に対する様々な決定を行うことだとする。
(1)ゲームのルールの側面: キャラクターのレベルは上がる。レベル制限は99。戦闘はターン制であり、敵と見方が交互に行動を行う、など。
(1.1)ゲームバランスの側面: 敵のパラメータ設定など。
(2)ゲームシステムの側面: セーブ数は、10件など。
(2.1)ユーザインタフェースの側面: LボタンとRボタンでキャラクターの切り替えができるなど。
(2.2) システムの品質に関わる非機能要素の側面: たとえば、ロード時間に対する要求。3秒以内に戦闘画面を表示し、ユーザの入力を受け付けなければならない、など。
(3)ゲームの遊び方に関する側面: ゲーム中のBGMを自由に変更できるなど。
ゲームデザインとは、このプロセスの結果として決めたことの集合であるとする。
好みの衝突解消プロセスとしてのゲームデザイン
まず、次の前提があるとしたい。
(前提1) できる限り面白いゲームを作ることがゲームデザインの目的である。
もちろん、現実的には、面白いという評価基準のみでゲームをデザインすることはできない。コストや時間の制約があるため、これらの制約を無視して面白さのみを追求することはできない。けれど、ここではこの制約は無視する。
(前提2) あるゲームの面白さの度合いを評価するのは、そのゲームをプレイした時の特定のユーザである。
続いて、次のような仮定をする。
(仮定1) 特定の誰かのみのために ゲームを作るとする
この場合、ゲームの面白さは、この特定の誰かが評価する。評価結果は、次の二つとなる。
(評価結果1) 面白い、もしくは、面白くないところはない
(評価結果2) 面白しろくない
1の場合、ゲームデザインのプロセスは終了となる。
2の場合、次のことが行える。
(評価対応a) 悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応b) 面白くなることを期待して修正する
修正後は、評価のプロセスに戻る。
続いて、仮定を少し変更してみる。
(仮定2) 特定の二人(AさんとBさん)のために ゲームを作るとする
この場合、仮定1のようなプロセスは行えなくなる。まず、評価のプロセスでは、4つの評価結果が考えられる。
(評価結果1) AさんBさんとも、面白い、もしくは、面白くないところはない。
(評価結果2) Aさんは、面白い、もしくは、面白くないところはない。Bさんは、面白しろくない。
(評価結果3) Bさんは、面白い、もしくは、面白くないところはない。Aさんは、面白しろくない。
(評価結果4) Aさんも、Bさんも面白しろくない。
1の場合、ゲームデザインのプロセスは終了となる。
2の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応2-a) Bさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応2-b) Bさんに面白くなることを期待して修正する
3の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応3-a) Aさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応3-b) Aさんに面白くなることを期待して修正する
4の場合、次の対応が考えられる。
(評価対応4-a) AさんやBさんに悪いと指摘された部分を修正する
(評価対応4-b) AさんやBさんに面白くなることを期待して修正する
仮定1の場合と違い、たとえば、対応2(Bさんが面白くなるように修正)の場合の修正後の評価は、次のようになる。
(修正後評価結果1) Aさんは面白いままであり、Bさんは面白しろくなった
Aさん:面白い->面白い(もしくは面白い部分が増えた)
Bさん:面白くない->面白い(もしくは、面白くなかった部分が減った)
(修正後評価結果2) Bさんは面白くないまま
Aさん:面白い->面白い(もしくは面白い部分が増えた)
Bさん:面白くない->面白くない(もしくは、面白くなかった部分が増えた)
(修正後評価結果3) Bさんは面白くなったが、Aさんは面白くなくなった
Aさん:面白い->面白くない(もしくは面白かった部分が減った)
Bさん:面白くない->面白い(もしくは、面白くなかった部分が減った)
(修正後評価結果4) Bさんは面白くないままであり、かつ、Aさんは面白くなくなった
Aさん:面白い->面白くない(もしくは面白かった部分が減った)
Bさん:面白くない->面白くない(もしくは、面白くなかった部分が増えた)
この3番目の項目から分かるように、AさんとBさんの面白さの好みが異なる場合、好みの衝突を解消し、AさんとBさんを同時に満足させるようなゲームデザインの提案は簡単でなくなる。
現実的には、ゲームのプレイする対象が二人というように少ないことはありえないため、衝突の解消はさらに困難となる。
しかし、ある種のこのような好みの衝突はゲームデザイン上の決定として解消できる場合がある。既存のゲームでの代表的な解消方法としては、ユーザ自身が自分の好みを選択できるような機能の導入がある。たとえば、難易度が選択できる機能、特定の機能(たとえば音声)のオン・オフを選択できる機能などがある。
以上のことから、ゲームデザインの一つの側面は、ゲームをプレイするユーザ間の好みの衝突を解消するプロセスである、といえる。
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