更新履歴:
2008.01.28: 最新のレビュー情報にあわせて、データを更新しました。29件のレビュー件数に28件追加して合計57件のレビューに対して分析を行うように更新しました。最終的な分析結果には影響ありません。
はじめに:
前回の記事で、ルーチンゲームデザインのためのチェックリストの作成という話をしました。
ルーチンゲームデザインとは、過去の経験の積み重ねなどからうまくいくことが分かっている項目に対して、適切な決定を行うことです。たとえば、ゲーム中のムービーに対する項目として「スキップできる」と「スキップできない」のどちらがユーザが望んでいるゲームでしょうか?多くのユーザは「スキップできる」ことを望んでいます。したがって、ゲームデザイナは、ムービーに対する項目に対して「スキップできる」という決定を行う必要があります。
ゲームをプレイするユーザは、ルーチンゲームデザインが適切に行われていないと不満を持ちます。ルーチンゲームデザインは、クリエイティブではありませんが、適切に行う必要があります。適切に行うために、ルーチンデザインが適切にできているかをチェックできるリストなどがあれば便利です。
前回の記事では、簡単な仮のチェックリストして次のようなものを考えました。
(1)イベントはスキップできますか?
(1.1)ムービーはスキップできますか?
(1.2)戦闘シーンはスキップできますか?
(2)ゲームのテンポは適切ですか?
(2.1)戦闘開始までの時間は十分に短いですか?
(2.2)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.3)メニュー画面はすぐに表示されますか?
今回の記事では、二番目のゲームのテンポに関わる部分について、このチェック項目が適切かどうかを確認してみたいと思います。
(2)ゲームのテンポは適切ですか?
(2.1)戦闘開始までの時間は十分に短いですか?
(2.2)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.3)メニュー画面はすぐに表示されますか?
ゲームのテンポに関する決定は、ルーチンゲームデザインに関する決定だと考えられます。以前の記事でゲームデザインの原則として書いたように、ユーザにとっては、ゲームのテンポが良すぎて困ることはないと考えられるためです。
確認方法としては、このチェックリストを実際のユーザの感想に適用してみようと思います。
ゲームをプレイしたユーザの感想の収集には、ndsmk2 さんのところのレビューを使いました。対象にしたゲームは、去年の12月25日に発売した「ファイナルファンタジー4」です。調査した時点で、全57件のレビューがありました(三郎さん [2007/12/27掲載] からホイミンさん [2008/01/21掲載]のレビューまで)。
ちなみに僕も実際に購入してプレイ中です。
結果:
全57件中36件、約63%の人が、なんらかの観点からゲームのテンポに不満を持っていました。
テンポの不満点をまとめるとだいたい次のような感じになります(各項目に対する件数は未調査)。
・もっさり感がある。
・メニューの開閉のテンポが悪い。
・戦闘のテンポが悪い。
・・全体への魔法が一人ひとりにエフェクトがかかる
・・魔法が長いので、召喚と同様に魔法にもスキップが欲しい
・・敵のHPも多めでやや戦闘が長く感じる。
・キーレスポンスが悪い
・・戦闘時のキーレスポンスが悪い
・・メニュー時のキーレスポンスが悪い
・戦闘のロードが長い
・被ダメージ時の数値表示が遅い
チェックリストの改善:
上記の結果をもとに、チェックリストを改善しました。
(2)ゲームのテンポは適切ですか? もっさりしていませんか?
(2.1)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.2)戦闘のテンポは適切ですか?
(2.2.1)戦闘開始までの時間(ロード)は十分に短いですか?
(2.2.2)全体魔法は、一度に全員にエフェクトがかかっていますか?
(2.2.2)キャラクターのアクションから結果の表示までは十分に短いですか?
(2.3)画面はすぐに表示・非表示されますか?
(2.3.1)メニュー画面はすぐに表示・非表示されますか?
さらなる検証:
今回の調査では、ゲームテンポについてレビューで悪い点として書かれているかを確認しました。
一方で、次のような追加調査をする必要があるかも知れません。
(1)テンポが良いことを良いとして書かれているか。テンポが悪いと感じている人と、テンポは良いと感じている人の割合の調査のために。
(2)テンポが悪いことを良いとして書かれているか。テンポが悪くてゲームを楽しめたと感じている人の割合。「ユーザにとってはゲームのテンポが良すぎて困ることはない」という原則の妥当性の確認のために。
(3)テンポが良いことを悪いとして書かれているか。テンポが良くてゲームを楽しめなかったと感じている人の割合。「ユーザにとってはゲームのテンポが良すぎて困ることはない」という原則の妥当性の確認のために。
その他:
分析したデータが欲しい方は、メール(rozenkranz.game at gmail.com)ください。
2008.01.28: 最新のレビュー情報にあわせて、データを更新しました。29件のレビュー件数に28件追加して合計57件のレビューに対して分析を行うように更新しました。最終的な分析結果には影響ありません。
はじめに:
前回の記事で、ルーチンゲームデザインのためのチェックリストの作成という話をしました。
ルーチンゲームデザインとは、過去の経験の積み重ねなどからうまくいくことが分かっている項目に対して、適切な決定を行うことです。たとえば、ゲーム中のムービーに対する項目として「スキップできる」と「スキップできない」のどちらがユーザが望んでいるゲームでしょうか?多くのユーザは「スキップできる」ことを望んでいます。したがって、ゲームデザイナは、ムービーに対する項目に対して「スキップできる」という決定を行う必要があります。
ゲームをプレイするユーザは、ルーチンゲームデザインが適切に行われていないと不満を持ちます。ルーチンゲームデザインは、クリエイティブではありませんが、適切に行う必要があります。適切に行うために、ルーチンデザインが適切にできているかをチェックできるリストなどがあれば便利です。
前回の記事では、簡単な仮のチェックリストして次のようなものを考えました。
(1)イベントはスキップできますか?
(1.1)ムービーはスキップできますか?
(1.2)戦闘シーンはスキップできますか?
(2)ゲームのテンポは適切ですか?
(2.1)戦闘開始までの時間は十分に短いですか?
(2.2)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.3)メニュー画面はすぐに表示されますか?
今回の記事では、二番目のゲームのテンポに関わる部分について、このチェック項目が適切かどうかを確認してみたいと思います。
(2)ゲームのテンポは適切ですか?
(2.1)戦闘開始までの時間は十分に短いですか?
(2.2)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.3)メニュー画面はすぐに表示されますか?
ゲームのテンポに関する決定は、ルーチンゲームデザインに関する決定だと考えられます。以前の記事でゲームデザインの原則として書いたように、ユーザにとっては、ゲームのテンポが良すぎて困ることはないと考えられるためです。
確認方法としては、このチェックリストを実際のユーザの感想に適用してみようと思います。
ゲームをプレイしたユーザの感想の収集には、ndsmk2 さんのところのレビューを使いました。対象にしたゲームは、去年の12月25日に発売した「ファイナルファンタジー4」です。調査した時点で、全57件のレビューがありました(三郎さん [2007/12/27掲載] からホイミンさん [2008/01/21掲載]のレビューまで)。
ちなみに僕も実際に購入してプレイ中です。
結果:
全57件中36件、約63%の人が、なんらかの観点からゲームのテンポに不満を持っていました。
テンポの不満点をまとめるとだいたい次のような感じになります(各項目に対する件数は未調査)。
・もっさり感がある。
・メニューの開閉のテンポが悪い。
・戦闘のテンポが悪い。
・・全体への魔法が一人ひとりにエフェクトがかかる
・・魔法が長いので、召喚と同様に魔法にもスキップが欲しい
・・敵のHPも多めでやや戦闘が長く感じる。
・キーレスポンスが悪い
・・戦闘時のキーレスポンスが悪い
・・メニュー時のキーレスポンスが悪い
・戦闘のロードが長い
・被ダメージ時の数値表示が遅い
チェックリストの改善:
上記の結果をもとに、チェックリストを改善しました。
(2)ゲームのテンポは適切ですか? もっさりしていませんか?
(2.1)ユーザの入力をテンポよく受け付けていますか?
(2.2)戦闘のテンポは適切ですか?
(2.2.1)戦闘開始までの時間(ロード)は十分に短いですか?
(2.2.2)全体魔法は、一度に全員にエフェクトがかかっていますか?
(2.2.2)キャラクターのアクションから結果の表示までは十分に短いですか?
(2.3)画面はすぐに表示・非表示されますか?
(2.3.1)メニュー画面はすぐに表示・非表示されますか?
さらなる検証:
今回の調査では、ゲームテンポについてレビューで悪い点として書かれているかを確認しました。
一方で、次のような追加調査をする必要があるかも知れません。
(1)テンポが良いことを良いとして書かれているか。テンポが悪いと感じている人と、テンポは良いと感じている人の割合の調査のために。
(2)テンポが悪いことを良いとして書かれているか。テンポが悪くてゲームを楽しめたと感じている人の割合。「ユーザにとってはゲームのテンポが良すぎて困ることはない」という原則の妥当性の確認のために。
(3)テンポが良いことを悪いとして書かれているか。テンポが良くてゲームを楽しめなかったと感じている人の割合。「ユーザにとってはゲームのテンポが良すぎて困ることはない」という原則の妥当性の確認のために。
その他:
分析したデータが欲しい方は、メール(rozenkranz.game at gmail.com)ください。
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