「任天堂 宮本茂氏が本音の本音でゲームデザインを語る。海外誌インタビュー」という記事があって、面白かったので考えてみる。
一つ目は、宮本氏のゲームデザインの方法に関わる発言(太字は僕による):
この発言からは、少なくも、ゲームのテスト方法について3つがあると考えられる:
宮本氏の発言からは、彼がそうやってテストしている詳細な理由を言ってくれていないので推測でしかないけど、次のことが考えられる。
一つ目は、宮本氏のゲームデザインの方法に関わる発言(太字は僕による):
宮本茂: 私はヘイロー(のようなゲーム)を作ることもできます。それは私がデザインすることができないゲームというわけではなく、単純に、私がその選択肢を選ばなかったというだけです。私のゲームデザインについて一つ言えることは、ユーザーが望んでいるものを見つけて、それに合わせたゲームをデザインしようとしたことはこれまで一度もありません。私は常に、楽しく遊べる新しい体験をクリエイトすることを心がけています。ここから分かるのは、少なくとも、ゲームをデザインする上で二つのアプローチがあるということ:
- ユーザの望んでいるものからスタートしてゲームをデザインする
- (ユーザにとって?)楽しく遊べる新しい体験とは何か、という観点からデザインすること
二つ目は、(僕の)ちょっと解釈の仕方が間違っているかもしれないけれど。
関連しそうな資料。ゲームのデザインではないけれど、建築家やエンジニア、製品設計者のデザイン思考についてのPDF資料。「CREATIVE THINKING IN DESIGN(PDF)」
それらの設計者にインタビューすることで、彼らがデザインすることについて何といっているのかを調査している。
宮本氏のインタビューに戻って、次は、ゲームのテスト方法について宮本氏がどう考えているか(太字は僕による):
宮本茂: 制作費の高騰によって、もしこのような方法でゲームをデザインしないとしたら、ゲーム会社が大きな不安を抱えることを私は理解しています。でも、自分が作りたい作品を作るべきです!心からみんなが私と同じ方法でゲームを開発するようになることを望みます。私はゲームを誰かにプレイしてもらうとき、意見を聞いたり、アンケートを取ったりしません。ただ、ゲームをプレイする彼らの目や表情を観察するだけです。彼らは笑っていますか?あるいは苛立っていますか?これは全くもって科学的な方法ではありませんが、そのように私は自分のゲームをテストするのです。
この発言からは、少なくも、ゲームのテスト方法について3つがあると考えられる:
- ゲームプレイヤーから意見やアンケートを基にテストする
- ゲームプレイヤーの目や表情の観察を基にテストする
- 1と2を組み合わせてテストする。
宮本氏の発言からは、彼がそうやってテストしている詳細な理由を言ってくれていないので推測でしかないけど、次のことが考えられる。
- 1の方法は、2の方法よりも効果的でない。2の方法でテストすることで、1の方法を含む、それ以上のテストができる。
- 1の方法は、テストの方法として間違っている。つまり、1の方法では、ゲームをテストしたことにならない。意見やアンケートは、デザイナーに対し、誤った情報を与える。
- 1の方法と2の方法は、それぞれゲームについての異なる側面のテストを行える。つまり、組み合わせて使うことでより広い範囲でゲームのテストを行える。
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「ペルソナ3フェス」の後日談クリア。
なんらかの裏ダンジョン的なのがあると期待したけど、どうやらないっぽい。
このことから考察できるのは、ユーザは、なんらかの期待感を持つということ。
期待感とは「もしかしたらこういう要素がまだ残されているんじゃないのか」とかそういうもの。
「もう終わり? まだ終わりじゃない? もしかするとまだ何かあるかも?」みたいなの。
開発者は、ユーザのそういう期待感に答えるようにする必要がある。実際に採用するかどうかは議論の余地があるかもしれないけど、何が期待されうるか、という候補を検討する必要はあると思う。
なんらかの裏ダンジョン的なのがあると期待したけど、どうやらないっぽい。
このことから考察できるのは、ユーザは、なんらかの期待感を持つということ。
期待感とは「もしかしたらこういう要素がまだ残されているんじゃないのか」とかそういうもの。
「もう終わり? まだ終わりじゃない? もしかするとまだ何かあるかも?」みたいなの。
開発者は、ユーザのそういう期待感に答えるようにする必要がある。実際に採用するかどうかは議論の余地があるかもしれないけど、何が期待されうるか、という候補を検討する必要はあると思う。
またファミ通か! って感じだけど、ゲーム雑誌はファミ通しか見てないので。
今週号(2007/5/4)に「ローグ ハーツ ダンジョン」のレビューが載ってた。同じジャンルのゲームを作り中の僕としては気になるところ。ってことで気になる部分をピックアップしてみる。
ちなみに点数は、6、4、5、5とあまり良いとはいえないような評価がされてた。
悪く評価された部分は以下の通り:
-戦闘バランス:攻撃ミスが多すぎてストレスが溜まるらしい。これは、前の記事で書い内容だけど、ジャンルが違っていても同じことが言えるのかもしれない。
-罠の有無:どうやら、罠は仕様としてないらしい。そのため、移動時の緊張感が皆無らしい。
-曲:曲数が少ないらしい。
-システム面:中断セーブできないらしい。
-操作性:十字キーで攻撃できるのは、ちょっと問題点らしい。というのも、高速移動中に連続攻撃になってしまうらしいから。
考察としては、まず、ゲームの品質に関する指標がいくつか分かると思う:
-(1)ストレスのなさ:ユーザにストレスを溜めさせてはいけない。
-(2)緊張感:ユーザが緊張感を感じられるようにする。
-(3)飽きさせない:ユーザが飽きないようにする。
二番目に関しては、一つは、不確定要素が関わってくると思う。レビューの例で言えば、罠というのが仕様としてあるかないかではなく、より正確には、罠仕様があることで、移動時に罠を踏むかもしれないという不確定が部分を提供することだと思う。
何が不確定か。トルネコとかシレンとか、罠仕様を採用しているゲームを参考にするならば、二つの要素がある。
-(1)まず、罠を踏む踏まないの二択の不確定さ。
-(2)次に、発動した場合、どの罠が発動するのかという不確定さ。
-(3)最後に、罠が発動したときに、避けれるかどうかの不確定さ。
これら3つが組み合わさることでユーザに緊張感を提供しているのだと思う。一方で、罠を回避するアイテムの存在なんかは、安心感を提供するのだと思う。
三番目の品質に関する指標。つまり、いかにユーザを飽きさせないか。ちょうど、「ペルソナ3 フェス」をやっていた僕がうまいな、と思ったのは、移動時のBGMをユーザが選択できる機能が追加されていた部分。BGMが代わるだけで、こんなに気分が変わるんだな、と実感した。もちろん、一時的な新鮮さを提供するだけなのかもしれないけど。
今週号(2007/5/4)に「ローグ ハーツ ダンジョン」のレビューが載ってた。同じジャンルのゲームを作り中の僕としては気になるところ。ってことで気になる部分をピックアップしてみる。
ちなみに点数は、6、4、5、5とあまり良いとはいえないような評価がされてた。
悪く評価された部分は以下の通り:
-戦闘バランス:攻撃ミスが多すぎてストレスが溜まるらしい。これは、前の記事で書い内容だけど、ジャンルが違っていても同じことが言えるのかもしれない。
-罠の有無:どうやら、罠は仕様としてないらしい。そのため、移動時の緊張感が皆無らしい。
-曲:曲数が少ないらしい。
-システム面:中断セーブできないらしい。
-操作性:十字キーで攻撃できるのは、ちょっと問題点らしい。というのも、高速移動中に連続攻撃になってしまうらしいから。
考察としては、まず、ゲームの品質に関する指標がいくつか分かると思う:
-(1)ストレスのなさ:ユーザにストレスを溜めさせてはいけない。
-(2)緊張感:ユーザが緊張感を感じられるようにする。
-(3)飽きさせない:ユーザが飽きないようにする。
二番目に関しては、一つは、不確定要素が関わってくると思う。レビューの例で言えば、罠というのが仕様としてあるかないかではなく、より正確には、罠仕様があることで、移動時に罠を踏むかもしれないという不確定が部分を提供することだと思う。
何が不確定か。トルネコとかシレンとか、罠仕様を採用しているゲームを参考にするならば、二つの要素がある。
-(1)まず、罠を踏む踏まないの二択の不確定さ。
-(2)次に、発動した場合、どの罠が発動するのかという不確定さ。
-(3)最後に、罠が発動したときに、避けれるかどうかの不確定さ。
これら3つが組み合わさることでユーザに緊張感を提供しているのだと思う。一方で、罠を回避するアイテムの存在なんかは、安心感を提供するのだと思う。
三番目の品質に関する指標。つまり、いかにユーザを飽きさせないか。ちょうど、「ペルソナ3 フェス」をやっていた僕がうまいな、と思ったのは、移動時のBGMをユーザが選択できる機能が追加されていた部分。BGMが代わるだけで、こんなに気分が変わるんだな、と実感した。もちろん、一時的な新鮮さを提供するだけなのかもしれないけど。
ファミ通の最新号(2007/4/20)に面白い記述があったので紹介。
「ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア」のディレクターとプロデューサーへのインタビューな内容。
面白いと思ったのは、「攻撃が当たらないことが続くとストレスになる」というところ。
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~省略~
河津 あんまり強くしないように(笑)。前回攻撃が当たらない、という敵がいたので。
村澤 そのへんはちょっといじっていますね。ミスを連発すると、すごいストレスになるのでそこは調節しています。当てるより削るためにどうするのか、という方向に切り替えています。
~省略~
-----
ということは、ゲームのデザインを評価する指標の一つは、「ストレス」ということになる。ストレスになるゲームは面白くない。
一つは、引用にもあるように、攻撃が当たらないことが続く、といったもの。
たとえば、「真女神転生3ノクターン マニアクス」では、攻撃命中率が前作の「ノクターン」と比べて 向上している。
他にも一般的にストレスになる要因としては:
-ロード時間が長い
-操作性が悪い
-カスタマイズ性が低い(たとえば、声のオン/オフなど)。
などがある。
「ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア」のディレクターとプロデューサーへのインタビューな内容。
面白いと思ったのは、「攻撃が当たらないことが続くとストレスになる」というところ。
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~省略~
河津 あんまり強くしないように(笑)。前回攻撃が当たらない、という敵がいたので。
村澤 そのへんはちょっといじっていますね。ミスを連発すると、すごいストレスになるのでそこは調節しています。当てるより削るためにどうするのか、という方向に切り替えています。
~省略~
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ということは、ゲームのデザインを評価する指標の一つは、「ストレス」ということになる。ストレスになるゲームは面白くない。
一つは、引用にもあるように、攻撃が当たらないことが続く、といったもの。
たとえば、「真女神転生3ノクターン マニアクス」では、攻撃命中率が前作の「ノクターン」と比べて 向上している。
他にも一般的にストレスになる要因としては:
-ロード時間が長い
-操作性が悪い
-カスタマイズ性が低い(たとえば、声のオン/オフなど)。
などがある。
一週前のファミ通(3/23)の記事より(p.14)。
『牧場物語』に挑戦状? マーベラスインタラクティブが作る wii 向け新しい物語の全貌』という記事の中の一部分。
木村祥朗さんの発言の部分が気になった(太字は僕による)。
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木村: いや、ちょっと悔しいんだけど、この感覚が味わえるゲームがひとつだけある。それが、『牧場物語』なんですよ。はっきりとストーリーがあるわけじゃないのに、物語を感じられるんです。物語といっても、RPGのようなストーリーがあるんじゃなくて、自分のゲームプレイが物語りになる。それを感じてほしいんです。
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太字の部分がなんか気になった。『牧場物語』はやったことないから、雰囲気を実感できないけど、なんか、重要なことを言ってる気がする。
『牧場物語』に挑戦状? マーベラスインタラクティブが作る wii 向け新しい物語の全貌』という記事の中の一部分。
木村祥朗さんの発言の部分が気になった(太字は僕による)。
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木村: いや、ちょっと悔しいんだけど、この感覚が味わえるゲームがひとつだけある。それが、『牧場物語』なんですよ。はっきりとストーリーがあるわけじゃないのに、物語を感じられるんです。物語といっても、RPGのようなストーリーがあるんじゃなくて、自分のゲームプレイが物語りになる。それを感じてほしいんです。
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太字の部分がなんか気になった。『牧場物語』はやったことないから、雰囲気を実感できないけど、なんか、重要なことを言ってる気がする。