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2024/11/23 08:32 |
ゲームデザイン:真髄選択
最近、少し古いゲームだけど「BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO」をやってる。

で、攻略サイトとしてここをみてるんだが、いいフレーズがあった。

ウィザードリィの真髄は 「いかに倒すか」 ではなく、「いかに生き残るかです」 私は BUSIN も例外ではないと思います。このような便利なアイテムは必ず、必要 人数分 盗んでおきましょう。
これはユーザからみたウィザードリィというRPGを形容した言葉だと思うけど、ゲームデザイナにも関係のあるんじゃないかと思った。

つまり、ゲームデザイナは、こういうゲームの方向性というかヴィジョンを示すような決定を行わなければならないんじゃないかという点。

当たり前かもしれない。でも、あるジャンルごとにどんなヴィジョンがあるのかを共有できれば有益じゃんじゃないだろうか。

たとえば、ウィザードリィの場合は「いかに生き残るか」である。では、他のRPGについて一言でその真髄を表現できるだろうか? ロマサガは? ドラクエは? FFは? メガテンは? どうだろ? 表現できただろうか? 僕はうまくできなかった。

このようなヴィジョンの決定はすごく重要に思える。たとえば、先ほどのウィザードリィの例にしても、RPGの戦闘のヴィジョンには、少なくとも「いかに倒すか」と「いかに生き残るか」の二つががあることがわかる。

ゲーム内に二つを混合させることはできるかもしれない。しかし、基本としてはどちらかを選ぶ必要があると思う。そして、当然ながら、どちらを選ぶかによってゲームのデザインは大きく左右される。

たとえば、「いかに生き残るか」を選んだのなら、プレイヤーにたいし、生き残るための術を多く提供する必要があると思う。アイテムの種類や武器や防具の効果などは、「いかに倒すか」が選ばれたときとは異なる配慮が必要となる。


つまるところ、ゲームコミュニティは、面白いゲームを提供する必要がある。コミュニティとしての役割は、ゲームユーザをがっかりさせるゲームが市場にできるかぎり現れないようにすることである。そのためには、一つには、現在市場にあるゲームデザインの
(1)どこが悪いのか、どうすれば改善できるのか。どうすれば、同じ過ちを繰り返さないようにできるのか。
(2)どこが良いのか、どうすれば、さらによくできるのか。
などを体系的に調査・分析する必要がある。



まとめると、重要なのは次の点。

(1)ゲームには、ゲームデザイナのビジョンが含まれているが、それをゲームプレイから抽出することは容易ではない。

(2)一方で、ゲームのビジョンを知り、共有することはゲームデザインの分野を前進させる上で重要である。
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2007/09/29 22:35 | Comments(0) | TrackBack() | ゲームデザイン
ゲームデザイン:ゲーム開発者にとってのゲームデザインの役割

この前、ニコニコ動画で「不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参」のプレイ動画を見た。何度か書いたように、僕は今不思議のダンジョン系のゲームを個人で開発している(WIKIページはこちら)。アスカはまだプレイしたことがない。でも、プレイ動画を見ることで何か参考になるかもしれない。

プレイ動画を見て、気づいたことあった。「アスカでは罠が壊れる仕様なのか!」。今回の記事では、この気づきがゲーム開発、もといゲームデザインの観点からどういう意味をもっているのかを考えたい。


まず、ゲーム開発に関わるエンティティを考えたい。特に、役割の観点から考えると、大きくわけて次の3つのエンティティ/役割が存在すると思う。

(1)ゲームデザイナ:
ゲームのデザインを行う。どんなゲームなのかに関わる決定を行う。たとえば、ゲームのジャンル、その他、ゲームの実現方法に関わらない決定を行う役割を持った人。

(2)開発者:
ゲームデザイナが決定した事柄(仕様)を実現する。どうやって仕様を実現するのかについて様々な決定を行う役割を持った人

(3)ユーザ:
開発された/開発中のゲームをプレイ、もしくは見たりして体験する役割を持った人。ゲームの評価を行う。

(4)環境:他のプロジェクトの人やゲーム。

game_dev_ontology.PNG














game_dev_ontology_instance.PNG









先ほどの。「アスカでは罠が壊れる仕様なのか!」というのは、ゲームデザイナ、開発者、ユーザのどの役割から見るかによって異なる解釈ができる。ユーザ、ゲームデザイナ、開発者に順番で見ていこう。

(1)ユーザの場合:ユーザの場合、ゲームデザインに関する知識に影響を与える。

(2)ゲームでデザイナの場合:ゲームデザイナの場合、ゲームデザインに影響を与える。開発中、もしくは今後開発するゲームのデザインに影響を与える。「罠は壊れない」と暗黙に決定するのではなく、「罠は壊れるか、壊れないか」を選択する必要がある。

(3)開発者の場合:開発者の場合、ゲームの開発に影響を与える。ゲームデザイナが「罠を壊せる」デザインにしていなかったとしても、壊せるようにゲームデザインが変更されるかもしれないので、そのような変更にあらかじめそなえて開発するかもしれない。


考察:
一つ重要なのは、ゲームデザインに関する知識は、ゲームデザイナだけが持っていればいいのではなく、ゲーム開発者も持っていて損はないということだと考えられる。


2007/09/24 01:50 | Comments(0) | TrackBack() | ゲームデザイン
ゲームデザイン:ゲームデザインアンチパターン:ムービースキップ
PSPソフトの「クライシス コア-ファイナルファンタジーVII-」のレビューをPSMK2さんのところで見ていたのだけど、18件のレビューのうち6件(約33%)がムービーをスキップできないことを悪い点としてあげていた。

ムービーをスキップできなくする理由があるとは思えないんだけどなあ。

2007/09/21 00:19 | Comments(0) | TrackBack() | ゲームデザイン
ゲームデザイン:不思議のダンジョンにおけるレベルリセットありVSリセットなし

というわけで、一つ前の記事で書いたように、不思議のダンジョンにおけるレベルリセットは「あり」か「なし」かを詳しく分析するために、ユーザのレビューを実際に調査してみた。

レビューデータとして使ったのはPSMK2さんところのデータ。レビュー対象はこちら。

 ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 ~不思議のダンジョン~

レビュー文章は、原文のままではなく、ほとんど同じだと思うけど、僕が再解釈して書いたものであることに注意。


まずは、レベル固定(レベルリセットなし)に関しての良い点。

良い点(9/76=12%):

(1)レベルが下がらなくなったのがとりあえず良い
・レベルが下がらないダンジョンがあってよい。
・レベルが下がらなくなったのがいい。
・死んでもレベルがそのままなのがいい。

(2)レベル固定でも、難易度が低くなるわけではない

・レベル継続でヌルくなったと思ったが、歯ごたえがあった。
・レベルが下がらなくなったので、難易度が低いと思ったけど、難しくなっていた。

(3)品質の向上:新鮮さや飽きのこなささ

・レベルが下がらないのは欠点と思ったけど、新鮮さがあった。
・死んでもレベルがそのままだから、飽きない。

(4)その他

・死んでもレベル固定なので初心者も安心。
・レベルが下がらないので安心して進められる。


次に悪い点。

悪い点(23/86=27%):

(1)レベルアップの間隔のバランスが悪い

・レベルが1にならないところ。レベルアップが遅い
・「レベル上げ」が必要なのがイライラする。
・レベルが下がらないぶん、あがりにくい。
・レベルがあがりにくい
・レベルアップに必要な経験値が異常
・レベルがあがるのがおそい。何でこのゲームでレベルあげが必要?
・レベル上げがきつい。
・普通のRPGのようにレベルあげが必要な点。
・レベルがあがるのが遅い。レベル1から始まるダンジョンがある理由が不明

(2)ゲームを進めるテンポが悪い

・次のダンジョンにいくのにレベル上げをしなくてはいけないようなバランス。
・敵が強くて進むのが困難なダンジョンがあるのため、レベルを上げなければならない。
・レベル固定で、レベルがあがりにくいのでトルネコが弱い

(3)レベル維持の弊害
・レベル維持になったせいか、敵の特殊攻撃や罠が非常に陰険になり、バランスが悪い
・レベルが下がらなくなったせいか、武器の合成がかなり制限されているため、最強武器を作る楽しみがなくなった。
・罠が多かったり、敵の攻撃が理不尽で、死亡したら所持アイテムがなくなるので、レベル維持が意味ない。結局は死亡=リセット。

(3)レベルリセットなし=初心者向けとはいえない

・レベル維持んのせいでバランスが悪いー>ダンジョンがむずい。レベル維持が初心者の救済になってない。レベルがあがりにくいのでHPが低い。
・レベル維持にしても、初心者の救済になっていない。

(4)レベル維持の意義

・レベルがあがるのが遅い。レベル1から始まるダンジョンがある理由が不明
・クリアー後のダンジョンがレベル1から始まるので、今までのレベル上げが意味なくなる。

(5)品質への影響:緊張感の低下

・緊張感がなくなった

(6)品質への影響:やりこみへの影響

・レベルが1にならないとつまらない。最高レベルに達したらつまらない。

(7)レベル維持は、難易度を下げる

・レベル維持になったぶん、エンディングまでの難易度が下がってしまった。

(8)その他

・レベル固定のせいでシステムが難しくなった。


考察:

まず、今回の調査からわかるのは、レベルリセットがいいのか、レベル維持がいいのかは、バランスに関わる部分が大きいのではないか、という点。悪い点のほとんどは直接・間接的にゲームバランスに関わるものであると言える。別の言い方をすれば、バランスの取り方しだいでユーザの評価は変わるかもしれないといえる。

とはいえ、レベルリセットのあり・なしに関して妥当な結論を出すためには、次の点に関する調査が必要だと思われる。

(1)リセットありとなしのどちらのほうがバランス調整をしやすいのか。
(2)バランス調整がうまくいったとしたら、両者に対するユーザの評価はどう変わるのか。


次に、バランスに関わらない点としては(4)の「レベル維持の意義」という点。これはバランスというより、ユーザの主観に関わるものかと思われる。別の言い方をすれば、どのユーザを対象として開発するのかという決断に関わる部分だと思われる。

たとえば、僕にとっては、レベル1から始まるダンジョンが用意されてないなら、それが欠点に感じる。

したがって、この点に関しては、次の調査が必要だと思われる。

(3)レベルのリセットをありかなしかに関わるユーザ層の主観的な好みに関する調査。


最後は、レベルリセットありかなしかは、バランスの取り方しだいで、難易度を高くもするし、低くもする可能性があるという点。

この点に関しては、次の調査が必要だと思われる。

(4)レベルリセットをありやなしにした場合、どんな他の項目が難易度に影響するのか。



まとめ:
不思議のダンジョンにおけるレベルリセットのは「あり」がいいのか「なし」がいいのかを調査するために、ユーザのレビューを分析しました。分かったのは次の点。

(1)レベルリセットの良し悪しは、ゲームのバランスの取り方に左右される可能性がある。

(2)レベルリセットの良し悪しは、ユーザの主観に依存する。

(3)レベルリセットなし=難易度が低いとは必ずしも言えない。


また、次の点に関する調査が必要なことがわかった。

(1)レベルリセットありとなしのどちらのほうがバランス調整をしやすいのか。

(2)バランス調整がうまくいったとしたら、両者に対するユーザの評価はどう変わるのか。

(3)レベルのリセットをありかなしかに関わるユーザ層の主観的な好みに関する調査。

(4)レベルリセットをありやなしにした場合、どんな他の項目が難易度に影響するのか。



2007/09/17 01:14 | Comments(0) | TrackBack() | ゲームデザイン
ゲームデザイン:不思議のダンジョンでレベルリセット
今週のファミ通(9/28)を再読していて、気づいたんだけど「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」では、キャラのレベルはリセットされないらしいですな。

これを残念と取るかどうとるか。トルネコからやってた身としては、レベルはリセットされるからいいのに、と思う反面、僕の知り合い(やりこみコアゲーマー)は、リセットされるから嫌い、といってたしなあ。

確か、レベルがリセットされないタイトルもあったと思ってウィキペディアで調べてみたんだけど、「ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3」がそれにあたるみたい。


不思議のダンジョンシリーズとしては、「レベルリセットがあるかどうか」がゲームシステムのデザイン上の一つの決断になりそうですな。

軽く調べてみたところによると、可能性てしては以下のパターンがあるみたい。

(1)レベルリセットあり:シレンとか

(2)レベルリセットなし:該当なし?

(3)基本はレベルリセットなしだが、特定のダンジョンに限ってはレベルリセットされる:トルネコの大冒険3、ポケモン不思議のダンジョンなど。

ぱっと考えたところでは、(3)が幅広く、という感じで一番いいのかなあ。

とはいえ、不思議のダンジョンっぽいゲームを作ってくれ、といわれたら、何も考えることなく(3)を選べばいいのか? といわれれはそうでもない気もする。この迷いの原因は何だろう。それなりに分析が必要なんじゃないか?

まずは、プレイヤーレビューを見て調査すればいいのかなあ。

2007/09/16 22:58 | Comments(0) | TrackBack() | ゲームデザイン

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